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- ビットコインの「宿命」
ビットコインは誕生から十数年が経ち、今や「デジタルゴールド」と呼ばれる存在になりました。
しかしその裏側には、セキュリティとマイナー報酬の持続可能性という課題が横たわっています。
• 報酬の99%は「ブロック報酬(新規発行BTC)」に依存
• 4年ごとの半減期で報酬は急減
• 小規模マイナーは撤退し、大手に集中
• マイナーが集中すれば「51%攻撃」のリスク
つまり、現在の構造のままではビットコインの安全性が徐々に脆弱になるシナリオも考えられます。
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- アメリカが進める「暗号資産覇権戦略」
こうしたリスクがあるにもかかわらず、アメリカはビットコインを積極的に買い込んでいます。
• 国家(準備金)、年金基金、州政府がBTCを保有
• ブラックロックなど金融大手がETFを通じて市場を支配
• マイニング最大手「Foundry USA」がシェア首位
• トランプ陣営もマイニング企業を支援
これは、かつて「ポンドからドル」に覇権が移ったのと同じように、
暗号資産の世界でもアメリカがビットコインを支配しようとしていることを意味します。
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- どんな未来でも「米国支配下のビットコイン」は続く
考えられる未来は2つだけです。
1. 手数料ビジネスが育つ場合
→ 健全にマイナーが維持され、アメリカは保有量とマイニングの両面で主導権を確保。
2. 手数料ビジネスが育たない場合
→ マイナー撤退で集中化が進むが、むしろアメリカがマイニングを掌握しセキュリティを維持。
結論として、ビットコインはどんな未来でもアメリカ覇権の下で利用され続けるという可能性が高いのです。
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- ドバイ投資家への示唆
ドバイは、暗号資産に対する規制環境が世界でも柔軟かつ先進的です。
アメリカによる支配構造を前提としつつも、グローバルな視点で資産を守るためには「複数拠点での保有・管理」が不可欠です。
• ドバイ:税制優位性と暗号資産に開かれた法制度
• アメリカ:資本と規制でBTCを実質支配
• アジア:新興市場として流動性を提供
こうした地政学的バランスの中で、ドバイからBTCや他の実物資産を組み合わせた資産防衛戦略を取ることが合理的だといえます。
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まとめ
ビットコインはセキュリティ問題やマイナー撤退リスクを抱えつつも、米国の支配力によって存続・拡大を続ける通貨になりつつあります。
そしてドバイの投資家にとっては、
「アメリカの覇権に飲み込まれる世界を前提に、ドバイを拠点に資産を防衛・増やす」
という戦略が今後ますます重要になるでしょう。
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